旬なものとスタンダードアイテムを自由にコーディネートするスタイルを提案しているRay BEAMS。そこでチーフデザイナーをしているのが水上路美さんです。Ray BEAMSでは主にニットを中心に手がけ、他にもRBS(Ray BEAMSよりワンランク上のオリジナルブランド)や、タレントの中川翔子さんと共同プロデュースしているmmts (マミタス)を手がけるなど、忙しい毎日を過ごしている水上さん。彼女の服作りの原点はどこにあるのか、聞いてきました。

お客さまが求めているものを的確に見極めることが大切

まずはチーフデザイナーとしての仕事内容を教えてください。

Ray BEAMSにはデザイナーが5人います。Ray BEAMS では1人がディレクターとして統括していて、制作の流れとしては、まず、ディレクターが今シーズンのテーマを打ち出し、それを元に各デザイナーがアイテムに落とし込む。その際にはトレンドの分析や過去のデータ参照、マーケットリサーチなどは欠かせません。サンプルが上がったら、さらにミーティングを重ねて、細かい修正を加えたのちに商品化されます。実際の商品が店頭に並ぶまでの過程にも全て関わっているので結構大変な業務ですね。

洋服のデザインは、どんなところから着想を得るのですか?

世界中をリサーチして、世の中のいろいろなものにインスパイアされることもあれば、「こんな服が着たいな」というイメージを具現化することもあります。ただ、単に自分が作りたいもの、やってみたい表現をデザインしているだけではなく、お客さまが求めているものを的確に見極めることが大切だと思っています。

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もともと水上さんは、デザイナー志望だったのですか?

はい。ちょうど私たちが学生だった頃に自分のブランドを立ち上げることが流行っていて、インディーズでブランドをやりつつ、神田恵介さん(デザイナー)のアシスタントをしていました。社会人になってからもずっとデザイナーとして活動していて、BEAMSが2社目になります。

ご自身で立ち上げたインディーズ・ブランドは、何ていう名前?

自分の名前をアレンジした名前でした。SHOWをやったり、マルイで委託販売をしたりしていました。自分でデザインしてパターンを引いて、下げ札も全て自作して。もちろん、お店に置いてもらうために審査も受けて、商品を並べるときは楽しくて仕方なかったですね。

服だけを見ていても、服は作れない

本格的にデザイナーになろうと思ったキッカケは?

服を着ることが好きで、服をたくさん着られる職業に就くにはどうしたらいいだろうって考えたときに、ミュージシャンになってたくさん衣装を着るのと(笑)、デザイナーになってたくさん服を作るのと、どっちがいいかなと考えて。作ることが好きだったので、デザイナーになりました。

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影響を受けたデザイナーはいますか?

私、大学時代に友人にたまたま誘われて行ったのが神田恵介さんのファッションショーだったんです。それがあまりにもすごくて圧倒されて。服を見て泣いたのは、あのときが初めてでした。すぐに「アシスタントさせてください」って頼み込んで、ずっとアシスタントをしていましたね。

そこで服作りを学んだのですね。

はい。今でもお付き合いがあるんですけど、その人を超える存在は、まだいないですね。その人に出会えたから、服作りの概念が変わったというか。

どう変わったのでしょうか。

服だけを見ていても、服を作れない。社会の動きとか文化の変化など、色んな情報をもとに服を作らなければいけません。デザインをするにあたって、そんなふうに服の「外」を見られるようになったのは、その人のおかげだなって思います。

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他のブランドの商品を見るとき、どこに目が行きますか?

これは海外のバイヤーさんとか、服に関わる人の多くに共通することだと思うのですが、やっぱり世界観ですね。一つ一つのアイテムをちゃんと見るというよりは、ショーやラインナップで作られる世界観を重要視していて。私も色んな展示会へ行きますが、常に世界観を見るように心がけています。