イラストレーター、フードコーディネーター、コラムニスト、そしてモデルと、マルチに活躍している小鳥遊しほさん。昨年出版された初の書籍『くまっているのはボクなのに。 一問一頭』(KADOKAWA/中経出版)は、ゆるかわシュールなくまのイラストと漫画が、同世代女子の悩みに答えるユニークな内容で、今なおロングセラーを続けています。今年2月には自身が取締役を務める「株式会社おもうつぼ」を設立するなど、小柄で童顔なそのルックスからは想像もつかない彼女のバイタリティは、一体どこから来ているのでしょうか。

学校に通う以外にも「勉強」する方法はある

最初は美容師になろうと思っていたそうですね。

はい、でも1年で辞めてしまいました。すごく厳しい店で、単に大変だったというのもあるし、定時に出社したり、上の人に理不尽なことを言われたりするのも嫌で。今思えば、社会人としては当たり前なんですけどね(笑)それに、アシスタント期間が7年くらいあると聞いて。27歳になってもまだアシスタントなのかと思ったら、ゾワッとしてしまった。

じゃあ、辞めてもわりとすぐに体勢を立て直して、次の展開を考えた?

はい。そのお店は芸能界に関係する方がよく来ていて、「あっち側に行きたい」って思いました。だからといって、自分はまだ何ができるわけでもない。じゃあ、自分は昔から料理が好きだし、料理関係へ行こうかなと。姉がパティシエで、家族で一緒に料理したり、美味しいところに行く料理好きの家族なんですよ。「手に職を」と思った時に料理しか思いつかなかったから、キッチンで働きながらフードコーディネーターの学校に通っていました。それが20代前半の頃です。

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「ミスiD」のオーディションを受けたのは?

芸能事務所に所属しようと思ったんです。ただ、普通に受けても絶対に受からないだろうし、「何か面白いのないかな」と思ってオーディション雑誌を見ているときに、「ミスiD」を見つけて。あとから聞いたのですが、「プロアマ問わず」だったから、事務所に所属している子もたくさん受けていたみたいです。私は完全にド素人で、書類も自分で作って出したから、完全に浮いていたみたい(笑)。とにかく書類を作りこんだんですね。料理やイラスト、自分の写真を入れて絵本のようにして。それで一次を通過して、ファイナルまで残ったんです。

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ミスiDエントリー時の小鳥遊さん。

その手作りの書類は、間違いなく勝因だったんでしょうね。

うーん、そうかもしれませんね。「当たり前のことをやっても、当たり前にしかならない」っていう考えが昔からあるんですよ。人の目に触れたかったら、人とは違ったことをしなきゃいけない。そういう意味での創意工夫は昔からしていました。例えば小学校のときの夏休みの自由研究のときには「大人は何を欲してて、自分が何を作ったら目立つか?」って考えてました。今思うと、全然可愛げがない!(笑)

最初の転機は、雑誌で連載を持ったこと?

そうですね。芸能事務所に入って、雑誌の打ち合わせのときにイラストを添えた料理のコラージュを持って行ったら、その場で連載が決まったんです。今思えば本当にすごいことですよね(笑)。「今ちょうど、編集部で料理のページの相談をしていまして、編集長を連れてきます!」って言われて。それがきっかけで、イラストの仕事もするようになりました。

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オリジナルのレシピにイラストを添えることで、真似できない世界観を確立している。

それも、コラージュを作ってこなかったらそこまで話が進んでいなかったかもしれないわけですから、チャンスを呼び込んでいるんですよね。

本当にそう思います。「私って本当はこうなのに」「やればできる」ってただ思っているだけじゃ絶対に伝わらないし、ちゃんと見える形で提示しなきゃいけないタイミングがあるって思っています。

いざそういうチャンスがめぐってきたときに、それをどうやってモノにしてきたのですか?

実は、料理の写真なんて撮ったこともなければ、レシピを書いたこともなかったんですよ。普段から料理雑誌をたくさん見るとか、そういう地道な努力ができなくて。仕事をもらった時点で必要にかられて情報を集めたり、自分ではどうしようもなさそうだったら、誰か詳しい人に尋ねたりしています。ありがたいことに、お金をいただきながら勉強しているみたいな感じですね。

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すごく勘もいいし、効率よくやるのが得意なんですね。 

あ、効率よく動くのは大好きですね。計算したがりなんですよ。「この目標を達成するには、ここまでにこれだけのことをして」みたいな。「こうなりたいから、これやって、これもやって」とか。時間を短縮するにはどうしたらいいかとか考えるのが好きですし、それを一番大事にしていますね。