『Ranzuki』や『EDGE STYLE』といったギャル向け雑誌で活躍し、若い女性の間でカリスマ的な人気を誇るモデルの鎌田安里紗さん。現在は「エシカル・ファッション・プランナー」という肩書きで、様々なブランドのコラボレーションやトークイベントなどを積極的におこない、「エシカル・ファッション」の意義を広めています。好奇心旺盛で、バイタリティ溢れる鎌田さん。彼女のように、やりたいことを自由に選びキャリアを積んでいくには、どうしたらいいのかを聞いてきました。

「ツール」としてモデルの仕事をしつつ「いま、伝えたいこと」を発信していく

鎌田さんが、いわゆる「ボランティア活動」に興味を持つようになったのは、どのようなキッカケだったのでしょうか。

中学二年生の終わりに、家族でインドネシアのバリ島を旅行したんですね。当時の私にとってバリ島はハワイっぽいイメージというか、いわゆるリゾート地を想像していたんですけど、実際は貧富の差がものすごく激しくて。リゾートホテルのすぐ前の道路で人が寝ていたりして...。この歳になれば、「まあそういう現実もあるよな」って思ってしまうんですけど、14歳だった私はメチャメチャびっくりして。あまりにも恐ろしかったので、「もう絶対に途上国へは行かない」ってそのときは思いました。

IMG_0005

そうですよね。

でも、帰国してからもずっと気になっていて。進学した高校は国際系の学科だったので、そこでも「世界の貧困」について色々勉強し、その延長でボランティアもやるようになりました。でも、ボランティアって持続性がないなと。もっと安定的に継続してサポートできる仕組みはないのかな? と思って調べていくうちに、フェアトレードのことを知って。途上国の人たちにお仕事を提供し、技術を提供してもらう「ウィンウィンの関係」っていうのは良い仕組みだなと。そのときはモデルをやっていたので、私が発信して一番説得力のある内容は服だなと思い、洋服のフェアトレードについて勉強をしていきました。

現在、鎌田さんの活動の主軸である「エシカル・ファッション」のコンセプトについてお聞かせ下さい。

「エシカル」って人によって色んな解釈がありすぎて複雑なんですが、ざっくり言うと、「服を作るプロセスや背景といった過去と、買ってから捨てるまでの未来も含めてファッションを楽しまないと、いろんな問題につながるかもね?」ということを発信しているんです。

例えばどのような問題ですか?

今ってファストファッションが主流になっていて、「似ているデザインだったら安い方がいい」みたいな風潮じゃないですか。安く買って、流行のファッションを着こなしているのが「カッコイイ」とか「賢い買い物」という価値観がある。でも、それだと生産に携わっている人たちに、ものすごく負担がかかるしゴミが増える一方なんです。

20160816_91

エシカルファッションについてのトークショーでのようす

確かにそうですね。

先日聞いた話だと、日本人は1年間に10キロ服を買って、9キロ捨てるらしいんですよ。それって本人も本当に納得できる買い物をできなくて、満足度が低いと思うんですよね。すごくもったいないことだと思います。だから、もっと自分の価値観、「こういうデザインが好き」とか「こういう思想を持っているブランドが好き」とか、色んなことを考えて服を選んだ方が、ファッション業界的にも、地球環境的にも、着る人にとってもいいんじゃないかと思っているんです。

ファンの方たちは、そういった鎌田さんの情報発信についてどのような反応を示しているのでしょうか。

以前から、途上国の貧困のこととか、フェアトレードの仕組みについてブログなどで情報発信していたのですが、本当に反響が大きいんですよ。みんな、触れる機会がないだけで関心あるんだなって。そのときに思いましたね、芸能の仕事って、こういう風に使えるんだって多くの人に情報を届けられるポジションだから、自分がメディアになれる。それからは、「ツール」としてモデルの仕事をしつつ「いま、伝えたいこと」を発信していくことを考えるようになりました。

結構、意識の高い女の子は多いのですね。

めっちゃ多いです! 見た目がギャルみたいな子でも、色んなこと考えています。すごく哲学的な子とかいたりして(笑)。見た目が派手な子たちって、「どうせ何も考えずに遊んでるんだろ?」っていうレッテルを世間から貼られてしまう。“役割期待”という言葉がありますが、人は期待されたキャラクターを演じがちです。だから、「悪く振舞わなければならない」という強迫観念があるみたいなんですよね。でも、本来の自分のモチベーションと合っていなくて、疲れてしまっている子とか大勢いるんです。でも、別に見た目が派手だろうが、中身がそれに伴ってなくても別にいいというか、「それはそれ」っていうふうに切り分けてもいいんだっていうことを、私を見て思ってくれた方たちがファンになってくれたんだと思います。