『フラニーとズーイ』(J・D・サリンジャー著 村上春樹訳 / 新潮文庫) SallyScott(サリー・スコット)新宿タカシマヤ店 露谷麻衣さん推薦

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青春小説の金字塔『ライ麦畑でつかまえて』のアメリカ人作家J・D・サリンジャーが、1955年に発表した『フラニー』と、1957年に発表した『ズーイ』の連作二編の小説を1つにまとめたもので、1961年に刊行されました。スノッブなボーイフレンド、レーンの振る舞いに次第に違和感を覚えいく女子大生のフラニーと、5歳上の兄で俳優のズーイをめぐるお話です。自意識に悩み、『巡礼の道』という本に出てくる祈りによって救いを求めようとするフラニーを、必死で説得するズーイ。ところが「言葉の曲芸飛行士」の異名を持つズーイの言葉はしばしば大きく脱線し、ますますフラニーを混乱させてしまいます。「最近出版された、村上春樹さんによる新訳を読んだのですが、とても読みやすかったです。読むと心が軽くなるというか、明るい気持ちになる小説です」(露谷さん)

 

『ランゲルハンス島の午後』(村上春樹・文、安西水丸・絵 / 新潮文庫) SallyScott(サリー・スコット)新宿タカシマヤ店 森みなみさん推薦

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小説家・村上春樹とイラストレーター安西水丸の共著によるエッセイ集。雑誌『CLASSY』に連載されていた、「村上朝日堂画報」の24編のエッセイと、書き下ろしのエッセイ「ランゲルハンス島の午後」を収録したもので、1986年に刊行され、1990年に文庫化されました。ランゲルハンス島というのは、膵臓内の細胞の集合体のことですが、ここでは「空想上の概念・理想郷」として登場します。「小説家としてやっていくにはUFOの一つでも見なければならない」とか、「美しいオンザロックには確実に哲学がある」とか、「三回に一回は、リンスで髪を洗ってシャンプーでリンスしてしまう」とか、いかにも村上春樹らしい発想と、どこかとぼけた味のある安西水丸のイラストが、何度読んでも思わずクスッとしてしまいます。 「好きな作家さんのエッセイとアート、その組み合わせや世界観がステキでした」(森さん)