ファッションに敏感な人なら、日頃からアート作品に触れたり、アートイベントに足を運ぶのも重要なこと。18~20世紀西洋と日本の子供服の歴史を知る展覧会、気鋭のフォトグラファーによる写真展、鬼才・園子温監督の描くSFアートなど、この夏東京で行われている3つのアートイベントをご紹介します。会期が迫っているものもあるから、お見逃しなく!

「こどもとファッション 小さい人たちへの眼差し」 東京都庭園美術館 7月26(土)~8月31日(水)

展覧会情報

女児よりも男児の方が“長くこどもでいること”を許された?

東京・目黒にある東京都庭園美術館にて、「こどもとファッション 小さい人たちへの眼差し」が2016年7月26日(土)から8月31日(水)までの期間、開催されます。 子供服は消耗が激しいため、良い状態で残されていることが少ないのですが、本展ではヨーロッパで30年以上かけて収集されたコレクションから、選りすぐった30点を紹介しています(日本初公開を含む)。 子供服は、基本的には大人によって考えられたデザイン。つまり、それを与える大人たちが、“こども”という存在をどう認識しているかが投影されているともいえるでしょう。例えば、1781年にパリで発行されたファッション・プレート(『ギャルリー・デ・モード・エ・コスチューム・フランセ』)を見ると、男児は長ズボンとジャケットをボタンでつないだスケルトン・スーツと呼ばれる子供服を着ています。一方、女児はその時代の成人女性のドレスや髪型を、そのまま縮小したような格好をしているのがわかります。つまり、男児の方が女児よりも“長くこどもでいること”を許された時代であったわけです。

写真右:男児服・トルコ風(1900年頃/フランス製)ポール・アレキサンダー氏蔵 中:女児用ワンピース・ドレス(1810年頃/英国製)安藤禧枝氏蔵 左:男児用スリーピース・アンサンブル(1850-1860年代/英国製)藤田真理子氏蔵

写真右:男児服・トルコ風(1900年頃/フランス製)ポール・アレキサンダー氏蔵 中:女児用ワンピース・ドレス(1810年頃/英国製)安藤禧枝氏蔵 左:男児用スリーピース・アンサンブル(1850-1860年代/英国製)藤田真理子氏蔵

ウェストを締め付けないドレスは子供服が原形?

また、19世紀初頭のイギリスでは、ウェストを締め付けない薄手のドレスが流行しましたが、これはもともと女児が来ていたドレスを少女期まで着用するようになり、それが成人女性の洋服にも影響を及ぼすというユニークな経緯があったりします。そうした背景に想いを馳せながら子供服を鑑賞すると、また違った発見があるかもしれませんね。

写真右:児島虎次郎『登校』(1906〔明治39〕年/油彩、キャンバス)高梁市成羽美術館蔵 左:『ジュルナル・デ・ドゥモワゼル』1864年4月(1864年/エッチング、彩色、紙)個人蔵(石山彰氏旧蔵)

写真右:児島虎次郎『登校』(1906〔明治39〕年/油彩、キャンバス)高梁市成羽美術館蔵 左:『ジュルナル・デ・ドゥモワゼル』1864年4月(1864年/エッチング、彩色、紙)個人蔵(石山彰氏旧蔵)

なお、東京都庭園美術館は2015年に国の重要文化財に指定された、旧朝香宮邸を利用した“邸宅型”の美術館です。展示物とともに、アールデコ調の館内も楽しむことをオススメします!

artevent-03